サムゲタン

やさしく煮込んだ手羽元と、生姜の香りがふわっと広がるスープ。韓国で親しまれる滋養料理を、現代の私たちの暮らしにそっとなじむかたちで。

暑い夏の日にも、寒さが厳しい冬にも。韓国では昔から、サムゲタンが“体を整える料理”として大切にされてきました。鶏肉と漢方、もち米や高麗人参を煮込んだスープは、滋養たっぷりで、まるで飲むお守りのような存在です。このスープは、そんなサムゲタンの考え方に寄り添いながら、私たち日本人の暮らしや食卓に合うよう丁寧にアレンジしました。

ごろっと入った国産の手羽元は、骨付きのまま、じっくり煮込んでほろほろに。スプーンを入れるだけで骨から身がするりと外れ、口の中でとろけていくようなやわらかさです。スープの味の中心にあるのは、国産の生姜。強すぎず、でも芯から体を温めてくれるような、ふわっとした香りとやさしい辛みが広がります。そこに加わるのは、国産のにんにく、長ねぎ。

サムゲタンというと薬膳のイメージが強いかもしれませんが、このスープはあくまでも「毎日の中にやさしく溶け込む一杯」であることを大切にしています。本場のニュアンスは大切にしつつ、味の重たさや複雑さをそっと和らげ、小さなお子さまからご年配の方まで幅広く召し上がっていただけるよう仕上げました。

風邪のひきはじめや、なんとなく元気が出ない日に。大切な人に「体をいたわってね」と伝えたい時に。そんな“誰かを想う瞬間”にも、きっと選ばれるスープになるはずです。まるで家庭でじっくり煮込んだような深い味わいと、何も足さなくても満たされていくような安心感。それは、素材に余計なものを加えていないからこそ、まっすぐに届くものかもしれません。

毎日がんばっている自分へのごほうびに。そっと寄り添いたい誰かへのギフトに。このサムゲタンが、体だけでなく心までも温める存在になれば――私たちにとって、こんなにうれしいことはありません。